月夜の晩に

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          夜道を歩く一人の少女               彼女の名は           篠崎 蓮(シノザキ レン)           学校に忘れ物をした蓮は、人通りの少ない裏路地を小走りで向かっていた            「あぁ、なんで今日に限って忘れ物なんてするのよ。 こんな時間になるまで気付かなかった私も私だけど…」         蓮は明日提出しなければならない書類を、学校に忘れてしまったのだ     その大事な書類は図書委員長である蓮が管理しなければならないもので、明日までに本の冊数と金額の合計等のことを記入して提出しなければならない       そんな大事なものを大好きな本を読んでいて、すっかり忘れていたのだ       「やっぱり遠くても大通りを行けば良かったなぁ… 夜がこんなに暗いなんて思わなかった。」         蓮は首筋を撫ぜる風に体を震わせながら動かす足の速度を早めた        
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