誕生

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誕生

いくら俺が過去に戻りたくて、生まれて初めて自分で稼いだアルバイト代で買ったブランドの腕時計の針を巻き戻しても、毎朝俺を起こすために毎日決まった時間に音で知らせてくれるミッフィーの目覚まし時計の針を速く前に戻しても、俺のこれまで歩んできた時間、俺の成長は元に戻ってはくれず、世界で決められた一定の時間は、刻々と時を刻んでいき、俺のことなど全く気に止めることもなく、周りの景色や風景は四季の変化とともに俺を置いて移り変わっていく。
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