第一章 パーティ

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妹のメイはローレライの後を追うようにして、数年後に一族の村を旅立った。 彼女はローレライと違って、剣も精霊魔法も使いこなす優秀なエルフだったが、その持ち前の優しさからか現在は直接傷をつける剣を使わないで、精霊使いとしてパーティに参加している。 女王蟻の正面で戦ったハリソンと違い、シールズは女王蟻の後ろ側から攻撃していた。 しかし、横穴から兵隊蟻が何匹も出てきたので、そちらと攻防する事が多かった。 傷を受けた回数は少なかったが、長期戦によってスタミナを切らしていたのと最後に女王蟻の突進を受けたので脇腹を痛めていた。 しかし、それでもゼウスの言うように巣穴を脱出しなければならない。 何とか息を整えながら、皆がハリソンの次の言葉を待った。 「よし、この山のように積み上げられた卵に火を放ってから脱出する。先頭はおれが行く。ローレライ、メイ、ゼウス、ローランド、しんがりはシールズに頼む」
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