第一章 パーティ

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(出くわしたら、何とか広間で戦えるようにしないとな) ハリソンは蟻が巨大化するだけで、これほど驚異な存在になるとは思っていなかった。 虫系の怪物には弱点があることが多いし、巨大蜘蛛(ジャイアントスパイダー)や巨大蠍(ジャイアントスコーピオン)のように毒があるわけでもなかったので危険の低い怪物と考えていたのだ。 しかし巨大蟻は臆病な他の虫達と違って死ぬまで退くことなく、その鋭い顎と堅い表皮で戦い続けるのだ。 炎や光にも怯まずに、ただただ噛みついてくるだけの地味な攻撃だが、死を恐れない戦士を予想していなかったハリソン達にとって驚異だった。 「ハリソン! 来やがった!」 最後尾を警戒しながら進んでいたシールズが叫ぶ。 働き蟻か兵隊蟻かはわからなかったが、三匹程が並んでゾロゾロと一行を追ってきたのだった。
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