交錯する想い

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「やつは敵だ。これは言い逃れできないはずだ」 「しかしあくまで推理から仮説を導き出したに過ぎない。ただ、我々だけでも心に準備があってもいいだろうな」 寂しげに話すゼウスにフレイムは苛立ちを感じたが、ゼウスの言う正論に反論しても仮説を真実にはできないので、歯を食い縛りながら黙って頷いた。 (た、確かにシールズの手前もある……。が、そんな気遣いでおれの剣は鈍らねぇ。仮説が真実に変わった瞬間に首をはねてやる。速さならローレライしか追いつけねぇはず) フレイムは決意して、左手で左腰に吊した大刀の柄を握り締めて確かめた。
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