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「みんな! 急ぐぞ!」
ハリソンがシールズに答えるようにして仲間に声をかける。
来たルートをそのまま引き返しているので、ハリソンの記憶が正確ならば、そろそろ広間とも言える空洞に出られるはずだった。
そこで迎え打てば、自分もシールズも主武器を振り回す事ができると判断したのである。
ハリソンの号令でパーティは足早に前へ進み、もう少しで広間に辿りつこうかという時だった。
前方の広間から、立ちふさがるようにして巨大蟻が現われた。
蟻はいきなりハリソンの首に噛みつこうとする。
「ちっ!」
辛うじてかわしたハリソンは同時に小剣で斬りつけるが、堅い表皮に遮られダメージを与えられたとは思えなかった。
(いや、即突破しないとシールズが追いつかれる!)
蟻は態勢を整えると再び首を狙って噛みついてきた。
「そこぉ!」
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