第三章 永遠の地

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アレグレータが少し興奮気味に答える。 そっと古代語が刻まれた部分に手を触れ、“時の門”を肉体で実感していた。 「浸りたい気持ちもわかるけど……」 シールズがアレグレータを促し、アレグレータは我に返って鍵を取り出した。 そしてゆっくりと鍵穴に差し込むと、鍵を回さずとも勝手に扉が静かに開いた。 「!?」 扉の向こう側には広大で鮮やかな緑地が広がっていた。 洞窟の行き止まりからは想像しがたい光景だった。 「これが……“永遠の地”……」 パーティは魅入られるかのようにして無防備に“永遠の地”に足を踏み入れていた。 そうさせる大自然の美しさが永遠の地にはあった。
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