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「確か、あの通路を真っすぐにしばらく進めば坑道に出られたわよね?」
メイが姉のローレライが帰りに迷わないように短刀で印を入れていた通路を見ながら呟いた。
「ここを突破できれば何とかなるってこと!」
ゼウスとメイは互いに目配せをして呪文を唱える。
ゼウスは“金縛り(ホールド)”を、メイは土の精霊を召喚して“足止め(スネア)”をかけさせた。
パーティと脱出口までにいた蟻の半数が動きを止められ、土の精霊に魔法をかけられた残り半数の蟻は土に足を取られて移動できなくなった。
「突破する!」
ハリソンはシールズと視線を合わせて同時に無言で頷いた。
ハリソンを先頭に、ローレライとローランドが脇を固め、襲いかかってくる巨大蟻を蹴散らしながら通路に向かう。
「しんがりはまかせな!」
シールズはローランドとゼウスの後につき、守るようにして大群の巨大蟻の前に立った。
メイが光の精霊を広間に残してくれたおかげで、視界に問題はなかった。
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