暗殺団『黒き花びら』

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ラーナの背後からナイフが飛んできたので、クリマは一歩踏み込んで確実に剣で叩き落とした。 バチンッ! 「バディに注目させてその背後から……という手とはねぇ」 ラーナは背後からのナイフに気付いていなかったので、フォローしてくれたクリマに感謝して呟いた。 「姉さん……。違う……。ナイトメアはさらに上をいってる……」 クリマはそう言うと踏み出した足に目をやった。 ラーナもクリマの視線を追う。 クリマの足は金属製の鋲に挟まれており、鋲はブーツを貫通させて血を滲ませていた。 輪の真ん中に触れると、鋭い鋲のついた輪が真ん中から折れ上がって、対象を挟む虎バサミと呼ばれる罠(トラップ)だった。
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