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「あたしらよりも先を読んでるってことだねぇ」
ラーナの言葉には覇気がなくなっていた。
あってはならない事だが、頭の中を全滅という言葉がかすめる。
「姉さん、ここは退いて仕切り直した方がいい。姉さんだけでも逃げろ」
(ククク……逃がすものか)
「首は預けとくねぇ!」
ラーナは、恐らく歩けないクリマを肩に乗せて担ぎ上げると、ドアに向かって進んだ。
それと同時にラーナの体中が締めつけられ、血がしたたり落ちる。
いつの間にかラーナの体中によく研がれた鋼線が巻き付いており、ラーナの肉に鋭く食い込んでいた。
ラーナが鋼のような筋肉の持ち主でなかったら、その四肢は斬り離されていただろう。
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