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シールズは今のパーティの状態で、自分の成すべき役割をよく理解していた。
まともに戦闘可能なハリソンと自分が、パーティを無事に坑道へと脱出させねばならない。
リーダーであるハリソンが道を切り開き、しんがりで残った自分は追撃を一切断つのだ。
二年前まで素人同然だったシールズだが、最近では戦士として先輩であるハリソンの力押しにも負けず、ローレライの早さにも反応できる程成長していた。
皆が進んだ通路を背に、一人戦うシールズを、巨大蟻達は次々に襲いかかる。
シールズは剣と盾を巧みに使ってひたすら攻撃を防いだ。
防御が間に合わない場合は、鉄鎧で覆われた部分にわざと当てさせた。
女王蟻の突進を受けて脇腹を痛めていたが、激しく興奮しているシールズに痛みは感じられなかった。
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