暗殺団『黒き花びら』

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「生きて帰していいの?」 ラーナとクリマが去った廊下に中肉中背の女戦士が現れて、ナイトメアの部屋へ向かって問いかけた。 「カレンか……」 カレンと呼ばれた女戦士は病的な程に醜いナイトメアと違って、それなりに美貌を持っていた。 陽に焼けた褐色の肌が力強さを想像させる。 「恐怖心を植え付けて解放しないと全てを相手する事になる。それだけの話」 ナイトメアはしゃがれた声で無愛想に答えた。 真実を全て語ったわけではない。 ラーナが放った見えない程早い横払いの風圧で、ナイトメアは左手に傷を負っていたのだった。
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