メビュースの行方

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ゼウスは表紙の板の厚さを指で計った。 そして開いたり閉じたりして具合を確かめた。 (保存にはいいかもしれないが実用的とは言えないな。嵩張り過ぎる。やはりこの表紙には何かある) 左綴じ右開きの本の表紙の右上側に二重の円が彫られているのが特徴的だった。 ゼウスは彫られている紋様を指でなぞってみた。 不規則に記号のようなものが彫られており、指の感触も目で見たものを伝えているだけだ。 (文字に見えなくもない…が、これが文字を表しているのであれば何らかの法則があるはず。裏表紙も同じ紋様か?) ゼウスは本を裏返して同じように裏表紙を調べた。 裏表紙にも特徴的な二重の円が彫られていたが、 それは左下に位置していた。 (まさか!?)
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