第一章 パーティ

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「!」 巨大蟻が倒れたシールズを見逃すはずがなかった。 顎を開いてシールズに襲い掛かる。 シールズの上半身は坑道には出ていたが、土の精霊が巣窟を閉じ始めており、次第に土が固まって出口の円を小さくしていた。 「くっ!」 シールズの左足の脛に巨大蟻の牙が食い込む。 ハードレザーのブーツが直に足を傷つけるのを防いだが、咬みついた牙の力は強固だった。 シールズは右足の先を蟻の頭にぶつけるが、足を挟む力は弱まらない。 土の精霊が固めた出口は元来の円の半分以下になっていた。 シールズは何度も右足で蟻を蹴り、仲間達は皆がシールズを掴んだ。 「急げっ!」 ハリソンの号令でシールズの体が浮き、一気に引き出される。 シールズは最後に渾身の蹴りを蟻の頭にぶつけた。 顎が弱まりシールズの全身が巣窟から抜けた瞬間、土の精霊によって出口は完全に防がれた。 「た、助かった……」 安堵のため息をついた後、シールズはそう言うのがやっとだった。 他の仲間達も息を絶え絶えに倒れこんでいる。 「あ……、ブーツ……」 シールズの左足のブーツがなくなっていた。
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