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「大丈夫だよ。意識を失っているだけで一命は取り留めている」
ローランドが額の汗を神官衣の袖で拭うと、アレグレータの肩を軽く叩いた。
「借りは明日返せばいい」
「そうよ。それにゼウスは見つけていた」
ハリソンの慰めにシールズが続ける。
そしてゼウスから預かった指輪をアレグレータに見せた。
「これは……メビュース!?」
「何だかわからないけど、バドの斡旋記録に隠されていたみたい」
アレグレータの目が失望から驚愕を通り、希望に変わって輝いた。
「これさえあれば……シオンに勝てる!」
意気揚々と叫ぶアレグレータを見て、シールズとハリソンも満足気に頷く。
ローランドだげが心の中に小さな不安をおぼえていた。
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