第四章 バリア対メビュース

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「大丈夫だよ。意識を失っているだけで一命は取り留めている」 ローランドが額の汗を神官衣の袖で拭うと、アレグレータの肩を軽く叩いた。 「借りは明日返せばいい」 「そうよ。それにゼウスは見つけていた」 ハリソンの慰めにシールズが続ける。 そしてゼウスから預かった指輪をアレグレータに見せた。 「これは……メビュース!?」 「何だかわからないけど、バドの斡旋記録に隠されていたみたい」 アレグレータの目が失望から驚愕を通り、希望に変わって輝いた。 「これさえあれば……シオンに勝てる!」 意気揚々と叫ぶアレグレータを見て、シールズとハリソンも満足気に頷く。 ローランドだげが心の中に小さな不安をおぼえていた。
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