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しばらく沈黙が辺りを包み、フレイムがフッと笑った。
「素直じゃねぇか。その方がいい女だと思うぜ」
「なっ……!」
「考え方が違うからおれは離脱するんだ。お前が謝る必要はないぜ。しかもお前はおれと引き分けた戦士だ。誇りを持ってくれ」
シールズは反論もできずにフレイムにねじ伏せられた。
格の違いを感じさせられずにはおれなかった。
一人前の戦士になったつもりのシールズだったが、やはりそれは仲間に守られてはじめて成り立っていたのである。
一人でも生き抜いてきていたフレイムの一語一句には重みがあった。
フレイムは右手で別れの合図を送り夜の闇へと消えて行った。
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