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冒険者の寄せ集めであるマースの解放軍が、明日に城を襲撃することは情報として得ていた。
そうなるとフレイムも城にやって来るのだ。
ナイトメアはどうしても先日受けた借りを返さなければならなかった。
シオン達に雇われたから戦うのではなく、個人のプライドを取り戻すためだけにナイトメアは戦うのである。
命を落としかねない戦いを前に、ナイトメアは息子を手放して決意を固めたのだった。
愛情をもって育てた覚えは決してなかったが、離れて行く息子の背中を見送るナイトメアの頬を涙がつたった。
(ごめんね、駄目な母で。でも必ずフレイムには勝つからまたどこかで……。いや、お前は『闇風』だから敵同士か……。それも運命だな、シルフィー)
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