84人が本棚に入れています
本棚に追加
城の外壁から少し離れた井戸にフレイムはいた。
動きやすい皮鎧と炎の鏝だけをまとって大刀(シャムシール)は背中に縛りつけている。
ロープを井戸に吊すとフレイムは伝って降り始めた。
「絶対に城内の井戸と繋がっているはずなんだよ」
一言漏らすとフレイムはスルスルと器用に水面まで降りて体を浸した。
しばらく体を休ませて深呼吸を繰り返す。
「炎が勝つか水が勝つか……。勝負だよ!」
最後に息を思いっきり吸い込むと、フレイムはその身を水中に沈めた。
しばらく潜ると穴は横に広がっており、フレイムは城の方向へ向かって泳ぎ始めた。
水流はさほどなく思う方へ体を進める事ができる。
もちろん光は届かない闇の中の潜水となった。
最初のコメントを投稿しよう!