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手足で水をかきながら真っ直ぐに城の方向へ進む。
直線的に繋がっていれば、フレイムの計算では息が続くはずだった。
しかし途中でフレイムは壁に当たり、壁を伝いながらさらに深く潜って壁を回避することになった。
水圧がフレイムの体を圧迫する。
静かな水中で耳に痛みを感じたが、フレイムは焦らず冷静に水路を探した。
息苦しさから限界の近さを感じる。
洞の壁がなだらかに前に続いており、フレイムは前に進みながら潜った。
何とか洞をぬけると前上方に微かな光を感じた。
城内の井戸に違いなかった。
いや、体内の酸素の量からそう考える以外できなかった。
水のかき方は小さく早まった。
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