84人が本棚に入れています
本棚に追加
/287ページ
「くっ」
ハリソンは仕方なく『始まりの緑』亭を後にし、仲間達が待つ『歌姫の魔力』亭へと帰ろうとした。
「あ、ちょっと待ってくれ。町には何日滞在する予定だ?」
「三日くらいだ」
何かを思い出したように聞いたバドにハリソンは素っ気なく答える。
「お前さん所のパーティは婦人が三人程いたよな? 三日でいいから娘を預かってくれ。報酬は渡す」
バドはそう言うと娘を呼びつける。
「そんな依頼受けるかよ」
ハリソンが答えるがバドは聞く耳持たず、現われた六歳程の娘を抱き締める。
そして耳元で説明をした。
バドの娘リーナを見て、ハリソンは親父に似なくて良かったなと心底思っていた。
うつむき加減にはにかんだ姿は妖精のように愛らしい。
最初のコメントを投稿しよう!