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その夜、ハリソンとローレライ、ローランド、ゼウスの四人はバドに確かな事を聞く為に『始まりの緑』亭へと向かった。
シールズは歌姫として舞台があり、メイはシールズの歌が聞きたいからと『歌姫の魔力』亭に残った。
「気を使わせたな」
舞台に上がる準備をしながら詫びるシールズにメイは首を横に振った。
「シールズの歌好きだし、わけわかんない話より断然楽しいし。舞台終わってから一緒に行こうよ」
メイの言葉は純粋だった。実際メイは姉のローレライ程、人間の生活に興味を抱いていない。ゼウスの推理に興味はあるが、美しい声を奏でるシールズの歌の魅力には勝てなかった。
メイはカウンターに座っており、横にはリーナが場違いながらもちょこんと座っていた。
そしてわくわくしながらシールズが立つのを待つ。
小さな舞台だったが、シールズだけが上れる聖地であった。
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