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シールズの声は店内の時間を止めた。
魔法で魅了されたように誰もがシールズの歌の虜になる。
そして陶酔して何度も聞きたくさせるのだ。
ただ歌がうまいとか、声が綺麗だとか、そんな事を超越したところにシールズの歌は存在していた。
「ね、リーナ。お父さんの店では聞けないでしょ?」
メイが、隣で感動して我を失っているリーナに声をかけた。
リーナはハッと我に返り慌ててコクリと頷いた。
それを満足気に見ていたマスターがメイと目を合わせる。
「じゃ、リーナをお願いしますね」
手筈を理解しているマスターは黙って頷き、メイとシールズを送り出した。
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