通り名

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「くっそ! いったい誰が!」 ハリソンは急いで駆け寄ってバドの体を調べる。 冒険者になって二年、ずっと世話になった父親的存在である。 しかも愛娘を預かっているのだ。 バドの死に実感はないが怒りが込み上げる。 不意にどこからともなく何かが飛んできて、ハリソンの持っていた松明を弾き落とした。 松明はバドの横にあった大きな水瓶に落ち、ジュジュッと音を立てながら闇を生み出した。 「まだ犯人は店内にいる!」 「何者だ!」 一行の緊張は極限まで一気に高まり、皆がそれぞれ見えないものの何かを感じ取ろうと見回す。 (……人はおれを『悪夢(ナイトメア)』と呼ぶ……) 低く小さい声が店内に不気味に響く。
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