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「おれ達はシオンの作った結界に飛ばされたんだ」
五歩先は視認しにくい薄暗さが、景色が変わった事をわかりにくくしていた。
『始まりの緑』亭の前だったはずなのに店だけではなく、街並全てが見当たらない。
「何だかさっぱりわからないよ。どうしてあたい達はこんな目に合っているんだい?」
シールズの疑問に答えられる者はいなかった。
「シオンの指には魔法の指輪『バリアリング』がはまっていた……。通常の結界と違っておそらくあの指輪が破壊されるまでこの結界を破る方法はない……」
魔法使いで知識人でもあるゼウスが、暗い表情で現状を説明する。
本人自身が絶望を感じているだけあって他の人間にもよく伝わった。
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