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(ちっ! あの赤髪……。やりやがる。このおれがシオンに頼る形になるとはな……)
ここ『始まりの緑』亭で、ナイトメアはゆっくりと体を起こした。
たくさん転がる死体の一つに扮していたナイトメアは、体中に塗り付けた血を乾いた布で拭き取る。
「が、事に気付きかけていた冒険者達もシオンの結界に送られてジ・エンド……だな」
店内から店の外の様子を感覚的に探り、一人でナイトメアは呟く。
そして床に転がっていた酒瓶を拾うと中身をあおった。
「やはり死体に紛れてやがったか。さぁこの明るい中、どんな悪夢見せてくれるんだ?」
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