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シールズが戦士になってから二年の月日が流れていた。
シールズは五人の仲間と共に、マロニエの西に位置するスレイブ鉱山の坑道にいた。
この坑道に半年程前から、人間の大きさ程の巨大蟻(ジャイアントアント)が巣を作りだした。
そのために鉱夫は仕事をすることができず、何とかして欲しいと酒場に依頼があったのだった。
酒場は情報交換の場であり、冒険者の溜り場でもある。
シールズのパーティリーダーである騎士ハリソンが、その依頼を引き受けて、苦難の末に巨大蟻の巣内で女王蟻を仕留めたところだった。
今、まさに女王蟻にとどめをさしたハリソンは癒しの神ミレイの神官ローランドから、回復の呪文をかけられたばかりだった。
そのため六人の中で一番ダメージが軽かった。
それでも女王蟻の正面で戦ったので、攻撃を受けた回数も一番多かった。
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