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「悪夢(ナイトメア)と言う名は伊達のようだな。六人も逃がすとは」
『始まりの緑』亭を出たナイトメアに、侮蔑の声をかけたのはシオンだった。
「指輪に力を借りないと何もできない貴様に何を言われてもな。まだ店内に一人いるからそいつもまかせよう」
(何とでも言いな。誇りなど持つだけ寿命が縮まるというもの)
ナイトメアはそれだけ答えて足早にその場を去った。
「逃げたということか。ではこのバリアリングでまた結界へ送ってやるとするか」
シオンは左手中指の指輪をかざしながら、『始まりの緑』亭のドアを開けた。
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