第一章 パーティ

3/15

84人が本棚に入れています
本棚に追加
/287ページ
ハリソンは国に仕える騎士ではなく、ミレイ神殿に仕える騎士である。 鼻筋の通ったほりの深い顔をしており、体格はがっちりとしている。 大剣(グレートソード)を扱うタフな男だ。 「満身創痍だな」 ハリソンは他の五人の顔を一人づつ見ながら、最後にローランドの顔を見た。 「しばらく魔法は唱えられそうにないよ」 ミレイの神官であるローランドがハリソンに答えた。 外傷はほとんどないが、女王蟻との戦いで傷つく仲間を何度も回復したので気力を使い果たしていた。 ローランドはハリソンと修業時代からの古い付き合いで同じミレイ神殿に属していた。 起伏が激しく直情的なハリソンに比べて穏やかで、パーティ内でのもめごとの仲裁に入ることが多かった。
/287ページ

最初のコメントを投稿しよう!

84人が本棚に入れています
本棚に追加