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「てことはあんたフレイムから逃げてきたんだね?」
「フレイムだとっ!? やつが『戦場の火炎』なのか……」
今さらながらシオンは震えだした。
ナイトメアが逃げ出したのもわかる話だった。
「あいつから逃げてあたいの所に来るなんて、あんたもツイてないね。その指輪破壊してあたいはここから出るよ!」
シールズは顎でシオンの左手の指を指すと剣を構えた。
「ふん。すでに五人逃がしてしまったのにお前まで逃がしたりはせん。せいぜいミミズどもと遊ぶがいい」
吐き捨てるように言うとシオンはその姿を消した。
「魔法力のない戦士にはどうすることもできん。あきらめろ」
シオンの声だけが辺りに響き、シールズは再び孤独になった。
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