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「冗談言ってる場合じゃないだろ」
ハリソンがメイを咎めて立ち上がった。
「冗談じゃないわよ」
唇を尖らせてメイが言うが、ハリソンは聞こえていないふりをした。
「とにかく情報は整理できた。シオンがいるであろうマース城に行くぞ」
「おっと、こいつを店で見つけた」
フレイムが本をハリソンに投げてよこす。
手垢やすすにまみれて汚れていたが中身はしっかり読める物だった。
「これは……冒険斡旋記録!」
それはハリソンも見た事がある、バドが冒険を斡旋時に書き込む台帳だった。
恐らく、依頼主から請負の冒険者まで記入されているに違いない。
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