第二章 女戦士

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シールズは何もない闇の空間で剣を振り回していた。 亀裂が入るということは、切り裂く事ができるはずだという短絡的な考えからだったが、何もしないよりもマシとあらがっているだけでもあった。 闇の中、孤独で不安に陥る暇はシールズにはなかった。 元よりアレグレータが帰って来なくなり、戦士として生きて行く事を決めてからは、命を惜しんだ事などなかった。 しかしそれは戦いの中での話で、わけもわからずただ朽ち果てる気など毛頭なかった。 「あたいは生きてここを出る。そしてフレイムと勝負してやる」 自分を鼓舞しながら、シールズはただひたすら剣を振り回した。
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