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声を少しづつ上げていき耳から聞こえなくなった時、闇の空間に無数の白い亀裂が走った。
骨を伝わってくる振動から、あの時の声が間違いなく出ている事がシールズにはわかった。
亀裂は空間を切り裂いたかのように広がっていき、闇も無数の巨大ミミズも飲み込んでいった。
そしてシールズは大地に降り立った。
そこはシールズが住むいつもの世界だった。
バドの店からは離れていたが、そこがどこなのかはわかった。
安堵感からか急に疲労がシールズを襲い、言う事のきかない体が膝を地面に着かせる。
「はぁ……はぁ……。看板に偽りなしだね……」
くたくたではあったが、シールズは笑顔だった。
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