第一章 パーティ

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エルフ族の姉妹であるローレライとメイは喋るのも苦しいようで、まさにぐったりとしていた。 森の妖精とも言えるエルフ族にとって、土の精霊力が強い坑道は本来の力が発揮できない不快な場所であった。 エルフ族は人間と似た種族で、人間と比べると外見の特徴として骨格が華奢で耳が尖っている。 寿命が人間の十倍ほどあり、そのためか神の存在を信じていない。 長い年月を生きるエルフにとっては、自然界の不偏を理解するのに十分な時間があるので、非現実的に神を信仰することなどないのだった。 姉のローレライはエルフ族のいわゆる落ちこぼれで、エルフでは誰もが当たり前のように使う精霊魔法を使えない。 そしてひねくれ者でもあるローレライは、一族の村を出て人間界に身を投じた。 もちろん、精霊魔法を身につける気はなく、閉鎖的な一族の村では決して得られない人間の知識を得ながら、素早い敏捷性を活かして戦士として生きて行く事を決めたのだった。
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