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「シ……シールズか……? その格好……?」
男も驚いたようで、狼狽しながらシールズに声をかける。
「やっぱり……。アレグレータ……。生きていてくれたんだ……」
シールズの胸が熱くなり、大粒の涙が目からこぼれ落ちる。
最後に姿を目にしたのは三年前だった。
結ばれる日を待つだけだったシールズは絶望に堕ち、何度死ぬ事を考えただろう。
しかし愛した人の道を歩もうとする気持ちが、今の強いシールズに変えたのだ。
だから余計に涙は溢れだしていた。
「すまん……。お前の優しさに甘えてしまっていた。これだけ待たせておいて……」
アレグレータもシールズの表情が移ったのか、顔をくしゃくしゃにしていた。
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