キャンディーボックス

グレープ

休むなんて聞いてない。勝手に休んで、コッチに代返任せるなんてどういう事さ。しかも声質も違うってのに、どうしよ。

人の気も知らないで呼名を始める教授。君との名簿は離れてるからどちらかを低く、もう一方を高くすれば問題無いかな？でも緊張する。上手く、上手く、それだけ。

ああっ、もう！講義終了後に急いで教室から出る。片手にはケータイ。掛ける相手は勿論、君。
怒鳴りつけてやろうと決め込んで、君が出るのを待つ。1コール、2コール、3コール………。呼び出し音が途切れるのを今か今かと待つのに。

結局、君は出なかった。もう知るかっ！何て思ったけど、何でか気になる君の存在。だって恋人なんだもん。自己チューで変態で、そのくせ変なところで優しい。
嫌いになるなんて考えられないから、明日一発殴るだけで許してやろう。