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モテる奴を恋人に持つと大変だ。
「可愛いーっ!!」
黄色い声が聞こえ、振り返ってみるとやっぱり君。周りからの視線を全身に受け、満面の笑みを浮かべている。今日の体育はバスケ。運動神経抜群の君はいつも輪の中の中心で。失敗なんか滅多にしないし、シュート率は100%。敵う筈のない素敵さだ。
艶やかな髪に、大きな瞳。口許に浮かべた微笑ですら君の存在を際立たせている。そんな君を見つめ、いつも溜め息。不安にならない訳がない。
そんな心境を知ってか知らずか君はコッチに向かってくる。
「な、なに……?」
「スリーポイント決めたら今日の昼、奢りね?」
スルリとかわして君はボールを手に取る。君のシュート率を考えると絶対奢りだな。。。
「これっ!これ買って!!」
「はいはい。」
結局奢るハメになった。うん、何かこう、失敗した感たっぷりだ。口角を少し上げ、君は言う。
「一緒に食べるっしょ?」
「う、うん。」
可愛い君、モテる君。今だけ自分のモノにしていいですか……?
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