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豪華な造りの屋敷の中でジミーは、デヴリンのお抱え運転手として不自由ない暮らしをしていた。
辺りが闇に染まり、静かな夜が訪れた頃、高級そうな造りのベッドにジミーは荒い息を漏らし、薄明かりの中でしっとりとした汗ばんだ裸体を横たわらせていた。
「ボスっ…そんな…あっ」
必死に自分の股間に踞(うずくま)る黒い毛の頭に両手を伸ばし、出そうになる声を堪える。
「ジミー…声を出しなさい…」
その頭はこの豪邸の主のデヴリンだった。ジミーの股間に顔を埋めて、しばらく前から未熟な陰茎を舌と唇で丹念に可愛いがっていた。
「旦那さっ…ま…やっ…」
デヴリンの熱い舌が根元から先端を行き来し、口控に含まれて柔皮を上下する。羞恥心のせいで赤く染まる顔を反らし、切羽詰まる声を漏らす。
「私の口に出して構わないよ…」
30代の年齢相応の顔つき、崩れた髪に整えられたアメリカ人特有の顔を持つデヴリンは、ワイシャツのボタンを外しただけで、未だにズボンすら脱いでいなかった。
「これ以上は…やめてくだっ…」
脚を閉じようと試みたがデヴリンが体を押し入れているので、無駄だった。口になどに出すわけにはいかないと、ジミーは解放されるように懇願してみた。
こういう行為は今日が初めてではなく、一週間前から行なわれていた。
最初は、普通に接してした。しかし、ある日の事だった。
ずっと告白しようと決めていた画廊の店の女性に振られて傷ついた夜の食事の後、屋敷に戻って着た時に電話音が鳴り響いた時だった。
「なんで勝手なことをするんだっ!!」
デヴリンは、受話器を片手に荒い声を漏らした。険しい顔でいかにも怒っている様子を物語っていた。
その近くでは、ジミーは心配そうに主人の様子を見ていた。
「後は…私が処理をするから…もういいっ…」
ようやく、話が終わったのか、受話器を置いたデヴリンは深いため息を漏らし、椅子に腰掛けた。
「デヴリンさん…少し休んだらどうですか?」
ジミーは、疲れている主人に近寄り、声をかける。
「ジミー、君は実に気が利く…」
デヴリンは、ジミーの顔を見つめた。照れているのか、頬を赤らめている表情に愛らしさを感じる。
「そんなことないですよ!僕はできる事をしているだけですから…」
ジミーは、恥ずかしそうにすぐさま、慌てて言い返して部屋から立ち去ってしまった。
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