第1部 エルヴン

5/7
前へ
/12ページ
次へ
我が家の目の前で、誰か倒れていたのだ。 同時に、何か異質な気配を感じ取る。 「!……土産は、また次の機会になるか」 言うや否や、エルヴンは軽く走り出した。 「キュイッキィーッ!」 周囲に奇声が響く。 それが波のようにうねり、呼応するかのように全身が赤茶色に染まった人間が5、6匹現れた。 (何だこいつ等…っ) やつ等が何故自分に遅いかかってくるのか分からなかったが、完全なる殺意だけは十分すぎるほど感じられる。 エルヴンは闇雲に突っ込んでくる敵から飛んで逃げ、前転混じりの受け身を取ってから違う敵の足を払い、近づいてきた敵の頭に裏拳を入れる。 脳震盪を起こして倒れた敵を飛び越えると、エルヴンはベルトを取り近くの木の枝に引っかけた。 そしてベルトにあるボタンを押すと、ベルトが素早く短くなりエルヴンは枝まで引き上げられる。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加