序章

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春の早朝は、彼にとって眠りの最高潮だった。 今も年齢は14と若いが、もっと幼い時分の朝は元気に外を駆け回っていた覚えがある。 悪い意味での進化を遂げてしまったのだろうなと思いながら、彼は耳の奥で誰かが窓を開ける音を聞いていた。 (……頭痛い……2日酔い…か……?) そういえば、昨日カイリスと夜更けまで酒を酌み交わしていたような気がする。 酒豪なカイリスのペースに乗せられて、自分の許容量を遥かに超える酒を飲んで、もはや飲まれているような感さえあったような気がしないでもない。 とにかく、頭の奥から頭皮まで太鼓隊が大勢いてそれ等を打ち鳴らしていた。 その太鼓隊に混ざって、遠くから足音がひとつ近づく音が聞こえる。
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