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「嫌いか、キャッツは? フィーリングだ、フィーリング」
キャッツは首を傾けて深く考え込む素振りを見せた。
それから鼻で笑うように言う。
「オヤジのエルヴンってなまえよかマシだね」
「そうそう俺のエルヴンよかマシマシ」
服を着替えながら、青年エルヴンは楽しそうに答えた。
それから靴を履いて、扉を開け外の陽光を浴びる。
「でもな、キャッツ」
エルヴンの呼びかけに対し、眩しそうに眼を瞑るキャッツ。
「俺の父さんは俺の名前を一生懸命考えたって言ってたぜ。親ってのは、いつでも一生懸命なんだ…。そこんとこ、お前忘れるなよ」
そして扉が静かに閉まる。
キャッツは椅子から降りると、窓からエルヴンの後ろ姿を追った。
父の姿が見えなくなると、子は服の中から銀に輝くペンダントを取り出した。
「…………」
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