第1部 エルヴン

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「嫌いか、キャッツは? フィーリングだ、フィーリング」 キャッツは首を傾けて深く考え込む素振りを見せた。 それから鼻で笑うように言う。 「オヤジのエルヴンってなまえよかマシだね」 「そうそう俺のエルヴンよかマシマシ」 服を着替えながら、青年エルヴンは楽しそうに答えた。 それから靴を履いて、扉を開け外の陽光を浴びる。 「でもな、キャッツ」 エルヴンの呼びかけに対し、眩しそうに眼を瞑るキャッツ。 「俺の父さんは俺の名前を一生懸命考えたって言ってたぜ。親ってのは、いつでも一生懸命なんだ…。そこんとこ、お前忘れるなよ」 そして扉が静かに閉まる。 キャッツは椅子から降りると、窓からエルヴンの後ろ姿を追った。 父の姿が見えなくなると、子は服の中から銀に輝くペンダントを取り出した。 「…………」
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