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「…ぃ……ぃて………聞いてるのか?近藤」
声のする方へ目をやると、昼休みの教室をバックに友人達が僕の顔をみていた。…どうやらボーッとしていたらしい。
「ああ、悪い……何の話だっけ?」
「おいおい、人の話はちゃんと聞いとかなあかんがな~」
「そう言うなよ、柏原……今回は楽観視できるような状況ではないからな」
眼鏡を押し上げながら純一…『逗子純一(ずし じゅんいち)』は心配そうな顔をしながら隣に座るもう一人の友人をたしなめる。
「まあ、確かにそうやけどな……しかし、コンのオトンも破天荒や思うとったけど、オカンもなかなかやるな」
そう言いながら九曜…『柏原九曜(かいばら くよう)』は笑いながらデザートのプリンをほうばっている。
この二人は近所に住む幼馴染みで、小学校からの付き合いなんだが、高校に入ってからもその関係は変わらず、こうして昼飯を囲んでいるというわけだ。
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