プロローグ

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「ね、この前に着たマーメイドラインのは?」 「……キレイだったよね」 「じゃその前の背中がとっても開いていたのとどれがいい?」 不意に質問すると一条さん、言葉に詰まる。 私はそれに頭に来る。 「たった今の話なのに覚えていないってどーいうコトよ!?」 もういい! 私は試着室にドカドカと戻った。 「一条さんなんかキライっ」 私にキライって言われて、そんな私たちのやり取りに呆気にとられているおばちゃんのクスクス笑いに、一条さんはやり場無さそうに頭を掻いていた。
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