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何の前置きもなかった。
久しぶりに晴れた6月終わりの日曜日。
ふたりで街中を歩いて。
オープンカフェでブランチ。
ダラダラと下らない話で盛り上がって。
笑い疲れて黙ったときだった。
「ヒナちゃん」
一条さんが真剣な顔になっているから。
私も手を止めて姿勢を正した。
「……やっぱいいや」
そんなことを何回も繰り返したりして。
今日の一条さん、変だわぁなんて軽く考えていた。
彼は一大イベントのためにすごく緊張していたわけだけど……。
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