2.存在しない明日

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いつものように朝起きた龍之介は、眠たい目をこすりながら洗面所に向かった。 「龍、おはよう…。」 「…あぁ。」 なんだか母の様子がいつもと違うような気がしたが、気にせずに顔を洗い、龍之介は朝食をとった。 その後、制服に着替え、8時ちょうどに家を出た。 今日も朝からママチャリは太陽の反射で青光し、一層暑さがにじみ出る。 途中、町唯一の高層ビルを横切りいつも通り、8時20分に学校に着いた。 朝のSTまであと5分のところで、自分の机に着いた龍之介は、朝から 「だるっ…。」 と一言漏らし、携帯をいじくる。 そのとき隣の席の梅村大地はちょうど教室に入ってきた。 トコトコ歩いてきた大地に、 「昨日のメールはなんだよ。」 と龍之介が鋭いツッコミを入れた。
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