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「凜太郎ー」
本を読んでいた俺にラックがガバッと後ろから覆いかぶさってきた。
「暇だわ」
暇って言われても・・・。
「リリは?」
「仕事に行ったわ」
「ツバキは?」
「部屋の掃除してる」
ラックはツバキから嫌われているので、彼がかまってくれないのを知っている。
なぜ嫌われているのかというと、ラックがツバキをリリのことでからかうからだ。
ラックが言うにはツバキの反応が面白いんだとか。
ツバキにしてみれば迷惑な嫌がらせだ。
「だからぁ。凜太郎ー」
「はいはい」
俺は読んでいた本にしおりをはさんで閉じた。
「それで?どうしたいんだ?」
俺が聞くとラックはにっこり笑って言った。
「デート、行きましょ?」
「いいよ」
俺が言えばラックは嬉しそうにはしゃいで俺の手を引く。
「ツバキ。出かけてくるわ」
「わかりました」
ツバキはいったん止めた掃除の手をまたすぐに動かした。
俺たちは軽く身支度をすませ、家を出た。
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