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凜太郎とラックが家を出てから数分後、リリが仕事から帰ってきた。
「おかえりなさい。リリ様」
「ただいま。ツバキ。お姉ちゃんたちは?」
リリはラックのことを『お姉ちゃん』と呼ぶ。
「さっきデートに行きました」
「デートか」
リリはドサッとソファーに座った。
そこへツバキがお菓子とジュースを運んできた。
リリはジュースを一口飲みつまらなそうな顔をした。
「どうかなさいましたか?」
ツバキが聞くとリリはお菓子を食べながらムスッとした表情で言った。
「お姉ちゃんずるい。リリも凜太郎とお出かけしたかった」
リリの言葉にツバキの嫉妬心がちらりと顔を出す。
「・・・なぜ凜太郎君とお出かけしたかったんですか?」
「だって凜太郎、いっぱい楽しいところに連れていってくれるし、お土産も買ってくれるんだよ」
リリはにっこりと笑いながら言った。
あぁ、そういうことか。
ツバキはちょっとホッとした。
その時、庭がカッと光った。
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