ある時、あるところで

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何事かと庭に目をやると、綺麗な長い金髪の女性が窓をガラリと開け、家の中へ入ってきた。 リリは彼女を見て食べかけのクッキーを落とした。 ツバキは一瞬不審な目で彼女を見たが顔を見て思い出した。 「確かあなた・・・」 「・・・エリーゼ」 リリは素早く立ち上がり金髪の女性、エリーゼのもとへ行った。 「久しいな。アラルの娘」 エリーゼはふわりと微笑んだ。 『アラル』とはリリの母親の名前でエリーゼとは友人である。 エリーゼには過去に一度会ったきりだったがリリははっきりと覚えていた。 リリはエリーゼの綺麗な微笑みに頬を赤くした。 昔と変わらない微笑み。 「な、何かご用?」 いつもより声のトーンが上がる。 リリは密かにエリーゼに憧れていたので、彼女との再会の喜びを隠せずにいた。 「ラクシーヌに用があるのだが。居るか?」 「先ほど凜太郎君と出かけましたが」 エリーゼの問いにツバキが答えた。 「そうか。では待たせてもらうぞ」 そう言ってエリーゼはソファーに座った。
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