ある時、あるところで

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「どうぞ」 ツバキはエリーゼの前に紅茶の入ったカップを置いた。 「ふむ。すまないな」 エリーゼはカップを手に取り、香りを楽しんだ後、口に含んだ。 リリはエリーゼの正面に座り、さっきからソワソワと落ち着かない。 「今、凜太郎君に連絡したのでしばらくしたら帰ってくると思います」 「わかった」 ツバキはエリーゼにそう伝えると一礼してキッチンに向かった。 しばらくすると玄関の扉が派手な音を立てて開き、ラックが凜太郎の手を掴みリビングに勢いよく入ってきた。 「はぁ…はぁ…エリーゼ様…」 「おかえり、ラクシーヌ。すまないな。デートの邪魔をしてしまって」 「いえ!大丈夫です。それより、何かあったんですか?」 ラックはリリの横に腰を下ろした。
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