ある時、あるところで

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ツバキから連絡を受け、ラックに手を引かれ急いで帰ってきたわけだが。 何事かと慌てて戻ってきたのに、呼び出した張本人のエリーゼはゆったりと紅茶を飲んでいた。 「それで、どうしたんですか?」 ラックが尋ねる。 俺はその様子をダイニングから黙って見ていた。 「ふむ。ちょっと大変なことが起こってな」 一息置いてエリーゼは言った。 「ラクシーヌ。コチラの世界に戻ってこい」 「えっ?」 俺たちはエリーゼの言葉に目を見開いた。 「どういうこと、ですか?」 「人手が足りなくてな。戻ってきてもらいたいんだ」 「一体何があったんですか?」 「他の世界から来た者に侵略されかけている」 「「えぇっ!?」」 俺たちは同時に驚きの声をあげた。 それは『ちょっと大変』じゃなくて『ものすごく大変』なことなんじゃ…。
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