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不機嫌な表情になるラック。
「…ラックさん?」
怖くて少し丁寧になる。
「……い…」
ラックが小声で呟く。
「はい?」
「…るい。凜太郎、ずるい!」
「はっ?」
何が!?
「エリーゼ様のでこチュー、ずるいぃ!」
あ。そうですか。
何か安心…していいのか?
これはこれで寂しい気がする。
エリーゼはクスリと笑ってラックを手招きした。
ラックは嬉しそうにエリーゼのそばに寄る。
エリーゼは俺にしたのと同じようにラックの額にキスをした。
すると今まで見ているだけだったリリがエリーゼの服の裾を引っ張った。
「…リリも」
エリーゼは微笑んでリリにも同じようにしてあげた。
リリは恥ずかしいのか、ほのかに頬を赤くしていた。
エリーゼはくるりとツバキに振り向いた。
「あ。僕は結構ですから」
あっさり断るツバキ。
「そうか…」
なんとなくエリーゼが残念そうに見えるのは気のせいだろうか。
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